天然塩と精製塩 本当に体にいいのはどっち?

「天然塩と精製塩、どちらが体に良いの?」──健康志向が高まる中でよく聞かれる質問です。どちらも塩ですが、製法や成分、味わいに大きな違いがあります。本記事ではその違いを徹底比較し、用途や目的に応じた使い分けを解説します。
天然塩とは?
天然塩は、海水や塩湖を蒸発させて作られます。製法は「天日干し」「平釜」「岩塩採掘」などがあり、土地や気候によって味が異なります。日本の瀬戸内海の塩はまろやかで、地中海の塩はややしょっぱく感じられることもあります。
含まれるミネラル
天然塩はナトリウムのほか、マグネシウムやカリウム、カルシウムなどを含んでいます。これらが「甘み」や「旨味」を引き出し、料理に奥深さを与えます。おにぎりに天然塩を使うと米の甘さが際立つのはこのためです。
精製塩とは?
精製塩は、海水を電気分解する「イオン交換膜法」で作られます。成分のほとんどが塩化ナトリウムで純度が高く、クセのない味が特徴です。日本の家庭で広く使われている「食卓塩」や「食塩」は、この精製塩に当たります。
メリットとデメリット
- メリット:安価で手に入りやすい。品質が均一で失敗しにくい。
- デメリット:ミネラルがほとんどなく、味わいが単調になりがち。
味わいの違い
天然塩は「まろやかでコクがある」味わい、精製塩は「シャープでストレート」な塩味が特徴です。おにぎりやサラダ、天ぷらの付け塩には天然塩が向きます。一方、漬物やパン作り、加工食品には精製塩が便利です。
健康面での比較
ナトリウムと血圧
精製塩はナトリウム純度が高いため、摂りすぎは高血圧リスクを高めやすいとされます。ただし、天然塩だからといって無制限に摂ってよいわけではありません。大切なのは「総量のコントロール」です。
ミネラルの効果
天然塩に含まれるミネラルは体の働きを助ける要素になります。例えばマグネシウムは神経や筋肉の働きに関与し、カリウムは余分な塩分の排出をサポートします。ただし含有量は微量なので「健康効果」よりも「風味の違い」として考えるのが現実的です。
料理シーン別おすすめ使い分け
- ご飯・おにぎり:天然塩で旨味を引き出す
- 肉や魚の下味:精製塩で均一に味付け
- サラダ・刺身:天然塩を仕上げに振りかける
- 漬物・パン作り:精製塩で安定した仕上がり
まとめ
天然塩と精製塩は「どちらが良い悪い」ではなく、料理や用途によって使い分けることが大切です。日常使いには精製塩、特別な料理や仕上げには天然塩。健康のためには、種類よりも「摂りすぎない」ことを意識しましょう。



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